序章

子供と大人の歩幅は大きく違う。多少の誤差はあれど、これは誰もか認める歴然たる事実だ。これと同じく、会話の進める早さにも違いがある。僕の話すスピードはまるで子供だ。こればかりは人それぞれの特性でしかない。歩幅なら子供が成長して脚が大きくなれば大人を追い抜くこともあるかもしれないが、話のスピードは生まれもってのものだ。逆転はあり得ない。

でも、希望を持たせた言い方をすれば、努力なくして逆転はあり得ないということだ。もちろんはじめに会得する早さは先天的なものだが、後天的に話のスピードを早くすることも出来る。つまり、話とは技術だ。話術ともいう。

自分の好ましい早さはきっと変わらない。ゆっくりな方が落ち着くし、自然だし、きっといい。
でも周りの人、世間の求める早さはもっと早い。それを自覚した上で、上回るくらいで話す技術を身に付けよう。勉強は得意だ。きっと出来る。