2019年本屋大賞「そして、バトンは渡された」 感想
ベストオブ心温まるBOOK
2019年本屋大賞にも選ばれて注目を集めた瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」をいまさらながらに読みました。そしてこれはぜひ読んでいない人には読んでほしいと感じました。
以下ではあらすじ、その魅力について紹介したいと思います。
目次
あらすじ
血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった森宮優子、
十七歳。だが、彼女はいつも愛されていた。
_「BOOK」データベースより引用
三つのテーマで読む
・納得のタイトル
2019年本屋大賞の発表とともに、そのタイトルを見かけることが増えました。当時の自分は不遜を承知で告白しますが、実のところ、タイトルを見て読むのを敬遠していました。タイトルとあらすじを読んで、「あ~そういう感じね。」とわかったふりして読むことをしませんでした。
読了した今、ほんともったいないことしたなと感じ、いいから読めと当時の自分に言いたい気分です。
まだ読んでいない人へ。読了後には温かい気持ちや幸せを感じながら、このタイトルしかありえないってなると思います。笑
絶対に面白いので安心して読んでみてください。
・圧倒的幸福感
ラストシーンでは優子と森宮さんとの関係に一区切りつけられるんですが、このシーンが本当に泣けるんです。
優子は小、中、高校時代を様々な親に引き取られ過ごします。最後のページまで優子の成長を見守ってきた読者には、もはや親心が芽生えてしまいます。だからこそ、読了後、一つ何かを成し遂げたような、とても心地よい幸福感に包まれます。そして、この家族にならい、自分も自分の大切な人を思い浮かべ、その存在に心が温かくなると思います。
・~目線の使い方
本文は優子による目線で描かれています。しかし、初めの1ページと最後の7ページだけ語り手が最後の親である森宮さんに変わります。
私が読了後に最も心に残って離れなかったシーンはこの部分です。全体に対してたった数ページにもかかわらずです。感動的なシーンであるのはもちろんですが、親の目線と子の目線、いずれも描かれることでより気持ちを揺さぶるのだと感じました。
まとめ・感想
こんなにほわっとした気持ちの読了感は初めてでした。また、最後の1ページ、これまでの様々なシーンを思い返したり、森宮さんの心境に感情移入していると自然と温かい涙が溜まりました。
物語を通して感じた優しい気持ち、現実でもこれを大切な人にも伝えていきたいと思いました。